ラノベ『バカとテストと召喚獣2』

バカとテストと召喚獣 2 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣 2 (ファミ通文庫)

いよいよ学園祭! 文月学園ならではの試験召喚大会も催される。明久達Fクラスは先の戦争に負けて以来「みかん箱」「ござ」という極貧の設備で過ごしてきた。そんな劣悪な環境と超頭の悪いFクラスに絶望した瑞希の父親は、なんと娘に転校を勧めているという。明久は学園祭の出し物で資金を稼ぎ、人並みの設備を購入、さらに召喚大会で優勝することで瑞希の転校を食い止めようとするが!? 新・学園ラブコメ第2弾!

http://www.enterbrain.co.jp/jp/p_catalog/book/2007/978-4-7577-3505-7.html

えんため受賞作第2弾。テストで召喚バトルする、軽いノリの学園ラブコメディ。今回は学園祭があって、「中華喫茶『ヨーロピアン』」でコスプレする。イラストの葉賀ユイが良い。

ブコメとしては、惚れられているのに主人公が鈍くて気付かないパターン。その鈍感さはとてつもないが、バカだから仕様がない。実質的に物語の展開を牽引する雄二が霧島翔子に釘付けされているのをはじめ、康太はムッツリーニだし秀吉は美少年なので、恋のライバルもなく、単調と言えば単調だが、ハーレムものはそんなものだろう。今回もバカが冴え渡る。

「バカテス」はバカコメやラブコメの面が目立つし、テストと召喚バトルに多くのページが割かれているが、実は青春学園物の部分が魅力的なのではないかと思う。バカはノスタルジーを誘う。ふつうの現代学園異能ものは、バトルが始まるとシリアスな展開になって、学園のドタバタコメディは後景に引いてしまう。だが、この作品ではバトルそのものがドタバタなのである。