ラノベ『FREEDOM フットマークデイズ 1』
FREEDOM フットマークデイズ 1 (1) (ガガガ文庫)
- 作者: 古川耕,佐藤大,桟敷大祐,曽野由大
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/05/24
- メディア: 文庫
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死の星と化した地球。巨大月面ドーム都市「エデン」の中、生き延びた人々にとって最上の価値は“平穏”。「みんな好き勝手やり始めたら、エデンなんてすぐ崩壊しちまう。我慢を覚えるのもオトナへの第一歩なんだろ、きっと」「オトナってつまんないねぇ」──オトナになることに全く気乗りしないカズマ、タケル、ビス。三人の微温の日々は、謎のポンコツ三輪ビークルと出会った瞬間、制御不能の加速を始めた!
http://www.gagaga-lululu.jp/gagaga/lineup/200705.html#09
日清カップヌードルのCM企画「FREEDOM」のノベライズ。構成・脚本は『交響詩篇エウレカセブン』の佐藤大。DVD版OVAの主人公タケルからカズマの視点に描き直す。今回の1巻はDVD1、2巻に相当。全3巻発行予定。
大友的SF世界観が、アニメはもちろんラノベでこうして読んでも、古びないのには驚く。ただ、登場人物の造形と心理は、古き良き青春ストーリーになってしまった印象がある。今なら、例えば「デスノート」のライト(あと「コードギアス」のルルーシュとか)のような優等生型主人公が流行だろうが、この作品はあくまで不良型主人公。不良といっても本当にDQNではなく、大人に反抗する思春期の心情が核になる。これがセカイ系になると、反抗の対象すら不明確になってしまった。本作品中、壁に落書きをするシーンで、題名の「FREEDOM」が出てくるが、それがまさに大人の管理社会(実際、不良児の烙印を押されてしまう)への抵抗なのである。そして落書きは、書き間違えから、全てを自由に、と、自由は彼方に、というダブルミーニングを帯びている。それが地球と月の関係の示唆を含んでいることは言うまでもないだろう。
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